2011年1月10日月曜日

本のガイド

しばらくのご無沙汰。

年末になると書店にいろいろなブックガイドが並ぶ。

自分の知らない、または選べない本を探したくて、この手のガイドには弱い。

昨年末は「このミステリーがすごい」を買うつもりで本屋に行ったらこんなのを発見。

分野が広いほうがいいかとこちらを購入した。170冊の本を紹介していた。

この本を読むのはまあまあ面白かったんだけれど、なかに読みたい本はなかったな•••

やっぱり、「このミス」を買うべきだったか?

2010年12月22日水曜日

悪人とは誰のことだったのか

悪人 by 吉田修一

九州北部を舞台にした物語は、ある殺人事件から始まる。

ふとした言い争いがもとで、出会い系サイトで出会った女性を殺してしまった祐一。同じ出会い系で出会った別の女性と逃避行に出るが...

社会的にあまり恵まれない男女の出会いと別れが描かれているが登場人物はどれもリアルでそれゆえに切ない。

最後にどんでん返しともいえる大きなうねりがありビックリさせられる。

つまらない男と思っていた祐一が突然輝く瞬間がある。

悪人とはいったい誰のことだったのか?

はじめからぐんぐんと引きつけられ、一気に読める。

吉田修一はテクニックを持った作家。他の作品も読んでみたくなった。

2010年12月16日木曜日

海老蔵のおじいさんがモデル

きのね by 宮尾登美子

宮尾登美子の小説はこれまでに何度が読み始めてみたが、完読できたためしがない。

力作揃いなのだが、なぜか息がつまる。理由はわからない。

ところが、この作品にはおそれいった。ぐんぐんひきつけられる。

舞台は梨園。モデルは今騒がれている海老蔵の祖父、11代 市川團十郎。

それと知らずに読んでいたが、主人公が新妻相手に暴れるシーンがある。

これって...〓

2010年12月13日月曜日

みをつくし料理帖

想い雲 by 高田郁(かおる)

時代劇を好まない私だが、思わず夢中になって読んだ一冊。

江戸の料理屋「つる家」を舞台にして、女料理人、澪と周囲の人々が醸し出す人情小話の短編集。

澪が作る料理の数々がとても美味しそうで、日本料理の素晴らしさを改めて感じさせる。

巻末に料理のレシピがついている。

シリーズは他に三巻あり、全部読んでみようと思っている。

2010年12月9日木曜日

シカゴ育ち

シカゴ育ち by スチュアート ダイベック

シカゴで生まれ育った団塊の世代の作家による短編集。

日常の見過ごしてしまいそうな小さな出来事、しかし将来、重要な意味を持つかもしれない出来事を題材に淡々と綴られていく文章。どこかにほっとさせる温かみがある。

東京なら下町を舞台に描かれる軽い人情話というところか?

まったく知らない作家だったが、古本屋で見つけ、シカゴという言葉に惹かれて購入した。

一度だけいったことのある街、シカゴ。たまたま宿泊したホテルは下町にあり、従業員は黒人ばかりだった。ブルースが聞こえてくるような街。

この作品を読んだらもう一度行きたくなった。

2010年12月7日火曜日

悩んだら読む本

ゴルフで悩んだり、メゲたりした時、必ずパラパラめくったり読み返したりする本。
普通のサラリーマンが2年でシングルになるための18の練習法。
著者の山口信吾さんは43歳でゴルフを始めた遅咲きのゴルファー。57歳で自分に会ったコーチに出会い、59歳でシングルになった。
オリジナルな練習法とトレーニングで67歳の現在もシングルハンデを保っている。
難しいことは一つも書いていない。シニアのアマチュアが無理なく出来る練習法ばかり。ただ、継続しないと効果はないけれど。
肩を回すのではなく腰を切って腰で打つ打法。私にもこれが合っているようだ。
うまくいかなくなると、そのくだりを読み返す。もう何度読み返したかな?

2010年12月6日月曜日

冷静と情熱の間


 

 辻仁成と江國香織によるコラボ作品。平成11年9月刊行。

 ひとつの恋の物語なのだが、辻仁成が書く「Blu」(イタリア語でBlueの意)が男性を主軸に回したストーリー。江國香織が書く「Rosso」(イタリア語でRedの意)は相手の女性を主軸にしたしたストーリーだ。

 どちらかいっぽうだけ読んでも違和感はないけれど、両方読んで初めて恋物語の全体像が見える。

 どっちから読むのがいいのか・・・この選択でストーリーの印象は若干異なるかも。ちなみに私は男性側の青のストーリーから読み始めた。

 舞台はイタリアと日本。今は他の恋人と上手くやっている男女がふとしたきっかけから再び関わる。そしてそれがきっかけで現在の恋人とは別れる。

 二人は男の30歳の誕生日にミラノのある場所で再会を誓っていたが・・・・。

 二人が再びむすばれるかどうかの結末は不明で余韻が残る。

 恋愛小説が嫌でないという人には気晴らしにまずまず薦められる作品。とびつきたいほどいいというわけじゃない。

 けれど、この本を読んだらしばらく忘れていた学生時代の恋人のことをふと思い出した。本には記憶を蘇らせるパワーがあるようだ。